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レーザー脱毛は、皮膚の表皮には反応せず毛根付近のメラニン色素に反応する特徴がありますので、レーザーで毛根を取り囲んでいるメラニン色素に照射(メラニンを破壊しない程度の強さ)します。この時期にメラニンが熱を放射し、毛根や皮脂腺を破壊して脱毛します。そのため、毛そのものが存在しない休止期に対しては、効果がないといえます。
電気脱毛(絶縁針)は10年以上の歴史があり、のべ回数は多くなりますが、最終的には永久脱毛が可能です。しかし、電気脱毛は痛みが強く、部位によっては色素沈着や瘢痕を残す例も多く見られます。
レーザー脱毛の効果について、米国での学会発表では、初回照射後の硬毛の再生率は40〜50%、2回目照射で10〜20%、3回目照射で数%と言われれています。米国のAEA(米国電気脱毛協会)の規定は、「最終脱毛から1ヶ月後の毛の再生率が20%以下である場合を永久脱毛と認める」とあり、その点ではロングパルスアレキサンドライトレーザーによる脱毛は永久脱毛といえるものです。
しかしながら、永久脱毛の意味が、治療終了後、何年経っても絶対に1本の毛も再生してこない状態を意味するのであれば、不可能であると考えます。
通常、半年〜1年以上、再生がない場合は、そのままほとんど再生しないと考えて良いかと思われます。しかし、全ての方がこのように行くわけではなく、かなり個人差があります。また、患者さん自身の満足度・期待度なども異なるために一概に言い切れません。
たとえ期間をおいて再生が見られた場合でも、短期間で済み、皮膚にダメージを与えないレーザー脱毛ですので、簡単に再度、照射を受けられます。安全性に関しては、米国サイノシュア製ロングパルスアレキサンドライトレーザーは、米国のFDA(日本の厚生省に相当)の厳しい条件をクリアしています。
また、どうしても取りきれない再生毛に対しては、絶縁針による電気脱毛を組み合わせてもよいかと思われます。レーザー脱毛だけでなく、絶縁針脱毛にも精通したクリニックを選ぶことが大切だと思われます。
(回答者:きぬがさクリニック 衣笠哲雄)
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